インドから学ぶこと
私がインドから学びたいことはこのラサ リーラからの学びと通じています。
日本で生まれ育ち、アメリカに留学し、ヨーロッパにも住んだ経験がある私にとって、インドは神秘に満ちた国です。
貧困や行き届かない衛生状態など、問題もあり、街に行くたびに混沌を感じます。
しかし、何か大きなエネルギーが宿っているし、放たれている気がします。
アーティスト、そしてヒーラーになると決めてからは、世界を旅しながらエリクシール(万能の病に効く魔法の薬)を探し求めてきました。
そんな中、インドにそのエリクシールがある気がして、日本や他のヨーロッパなどで作品活動を続けながらも、時間があればインドに来て、音楽を学んでいます。
音楽ばかりでなく、ヒンドゥー教のこのようなストーリーに込められた深い知恵は、私にはっとした気づきを与えてくれます。
イギリス人の友人と「幸せ」について深く話し込んだことがありました。彼女は孤児院で育ち、物思いがつく頃に養子としてある夫婦と一緒に住むことになったと言います。しかし、たくさんの問題を抱えて家にもらわれて過ごした幼少時代は波乱に満ちていました。
イギリスのような豊かな国では精神病を抱えていたり、心が満たされていない人、苦痛の中で行きている人がたくさんいるということを彼女は私に話してくれました。
インドでは貧困が蔓延しており、貧困故に自殺するといった事故もあるそうです。ですので、インドの混沌的な状態を美化はできませんが、何かインドの中には大きなエネルギーが可能性が秘められている気がします。
インドで私がこれまで学んだことは、自分のエネルギーを信じて前に進む力を鍛えることでした。
そして、自分の境界線をはっきりとさせ、必要な時には罪悪感を感じることなくノーと断ることの大切さ、そして自分自身の価値を知ることでした。
宇宙のエネルギーと繋がるには、お寺に行く必要もなく、グルなどのスピリチュアルな師について回る必要はない。
自分自身の神性に気づき、そしてそれを活性化させ、世界に向けて発信し、奉仕すること。
誰に何を言われても、自分が信じていること、感じていることを信じて前に進むこと、などなどです。
これらのすべての学びが、ブリンダヴァンの人によれば、クリシュナの慈愛の中で見守られ行われていた、といいます。
私もそのような気がする、というふうに感じています。
ブリンダヴァンで経験することはすべての魂の学びの経験をスピードアップさせる経験を与えてくれる、といわれています。
これまでの楽しかった経験も、辛かった経験も、魂の重要な学びになったことは確かです。
そして、たくさん成長した、ということも確かなようです。
ヒンドゥー教の怒れる女神
ヒーラーになりたいと本格的に活動し始めたのは12年くらい前だった気がします。それから、色々な学びをしましたが、一番重い学びだったのは、ヒーラーとしての境界線でした。
与えたい、癒やしたいという想いが先立ってしまい、与え過ぎたり、自分のエネルギーさえも与えて癒やしたりしていると、低いエネルギーの存在も侵入してきてしまったりして、過去に危ない経験をしたことがありました。
そんな中、インドの女神さまの様子を見て、「これだ!」と思うようになりました。インド人のヒーラーの友だちにも教えてもらいました。
インドの女神様の中で、怒りのあまりにシバ神を下敷きにして悪魔を退治しているカーリという女神がいます。
女性は常に優しい必要があるというようなイメージがあり、女性が怒りを表現することが難しくなっている社会的兆候がありますが、インドの女神さまはなんとも美しく怒りを発散しているのです!
健康な怒りは感じるべきだし、表現するべきだと思うようになりました。そして、自らの中に秘められている内なる神を信じ、そこは宇宙と常に繋がっていることを知ること。
インドでは日本よりも女性への抑圧が社会的により強いために、女性が一人で生活するためには、色々な試練を乗り越える必要があります。
このような環境で、戦わざるを得ない場面もありました。
そのような時に、自分の中に秘められた火のエネルギーを感じてみて、使うことができるように訓練しました。自分の中のエンジンを見つけて、自分のリズムを見つけ、そしてその熱とエネルギー、リズムは地球のエネルギーと呼応していることを知ること。
そんなことを考えながら、インドで音楽の修練を続けています。