石好きの皆さんが石を買うときは、きっと見るだけではなく、触れてみたり握ってみたりして、その時受ける印象を大事にしているのではないでしょうか。
ご存じの通り石の種類によってそのエネルギーは様々で、触ってみると、見ているだけの時よりずっと、いろいろなことを感じると思います。
さて、石の種類によってエネルギーは様々だと言いましたが、同じ種類にもかかわらず、ピースによってもエネルギーの違いを感じたことがある方はいらっしゃいますか?
今回はそういうお話です。
Hariqua明治神宮前店に行くたびに、必ず店内の石をじっくりと見て回る私ですが、その日目にとまったのは、新入荷のピンクダンビュライトのタンブルたちでした。
私にとってダンビュライトは大好きな石のひとつなのですが、新入荷のそれは、うっすらと柔らかい桃色が差し、ダンビュライト特有の高い波動と優しさが気持ちよく、一瞬で「買う!」と即決させるものでした。
5、6個ほどのタンブルを前に「さてどれにしよう?」とワクワクしながら覗き込んだとき、ひとつだけ、とりわけキラキラと光っているものがありました。
最初は気のせいだと思っていましたが、
「アタシ!アタシヨ!」
と、猛烈にアピールしてくる感じが伝わってきました。
今までこんなふうに石からアピールされることはなかったのと、ダンビュライトらしからぬ雰囲気にしばらく無視していたのですが、目をやると、もうどうしようもなくキラキラと輝いて愛想を振りまいてくる(ように感じる)のです。
観念して、ちょっと手に取ってみようと思ったのですが、なんとなく…いじわるしてみたくなりました。
他のピースから手に取って、感触を確かめ始めたのです。
ひんやり、しっとり、繊細な光がキラキラと上から降ってくるような感じをそれぞれのピースから受けながら、ああ、やっぱりダンビュライトは気持ちいいなぁと、例のピースを握ったとたん、
「アタシダッテバ!」
声のような、でも声ではないものを感じると同時に、手に強烈な静電気のようなものが走りました。
それは思わず「痛っ!」と声を上げるほどで、噛まれたのかと思ったくらいです。
とにかくびっくりして手の中の石を、何してくれるんだと言わんばかりに凝視したら、石は何食わぬ顔で、
「ホラ、アタシデショ」
とキラキラと笑ってきました。
同じ石でも産地によってエネルギーが少しずつ違うというのは、土地の持つエネルギーが違うからだろうと、理解できます。
でも、同じ産地、もっと言えばひとつの石から切り出され研磨されたピースのそれぞれは、エネルギーの差異があるものなのでしょうか。
石は気の遠くなるような年月をかけて育まれます。
長い年月の間には、成長する石を取り巻く環境も広く均一ではなく、時に短期間の、また小さな範囲での変動もあったことでしょう。
そうした環境の変動は石の成分や構造にわずかな変化をもたらし、小さなピースとして研磨されたときには、それなりの個体差を生じさせるのかもしれません。
ヒトのDNAは、個人間では0.1%程しか違わないと言われています。
このわずかな揺らぎが肉体の多様な個性を決めているのです。
石が成分や構造のわずかな揺らぎを持ち、不均一なら、同じ石から切り出された小さなピースの一つ一つは、ひょっとしたらヒトの肉体のように多様な個性を持っているのではないでしょうか。
複数のピースからひとつをお買い求めになるときは、ぜひ微妙な色の違いや内包物の有無、握ったときの感触の違いなど、天然石ならではの愛すべき個性(エネルギーの違い)を時間をかけて見ていただけたらと思います。
妙にキラキラと輝くピースが目に飛び込んでくるかもしれませんし、噛まれたようなぴりっとした刺激を感じる石があったなら、ひょっとしたらそれは運命の一石なのかもしれません。
※一華のタロットリーディングをご希望の方はこちら