トゥルシーの木が好き
実はブリンダヴァンに行き着いたのは、インドの各地を旅行してから、最後に訪れた場所でした。
その前に、北インドと南インドを2回ずつ旅行しながら、有名な聖地や観光地を訪れましたが、その中で最後に訪れ、最も気に入った場所がブリンダヴァンでした。
他の地域では感じることができない、濃厚な何かがありました。
いるだけで、不思議と幸福感、充実感を感じることができる場所です。
以前、南インドやバリ島のヒンドゥー教のアシュラムに滞在したことがありましたが、それらの場所ではマントラを唱える時に、ルドラークシャ(Rudraksha)という菩提樹の実が使われていました。「シバ神の涙」とも言われているルドラークシャは大きな霊的効果にあふれているビーズで、アシュラムの人たちはマーラ(数珠)を見につけ、時間があるときにはマントラを唱えるために使っていました。
ルドラークシャとパールのマーラ(数珠)
このような経験の後で、ブリンダヴァンに来て、皆、トゥルシーの木のビーズのマーラ(数珠)でクリシュナのマントラを唱えているのを見てカルチャーショックを覚えたものです。
ルドラークシャとは異なり、トゥルシーの木は草木からできたビーズですので、汗などを吸い込んだりすると汚れやすいので、マーラを身に着けている人は殆どいません。みなマーラの袋に入れて持ち歩き、袋の中でマントラを唱えたりもします。
ネックレスは長持ちするというよりは、定期的に新しいものに買い替えたりしながら身につけたりします。
アシュラムのグルデーブ(師匠)に、トゥルシーのマーラ(数珠)でクリシュナのマントラを唱えるように言われました。
みなさん一生懸命マントラを唱えているので、私もトゥルシーのマーラを購入して唱えてみることにしました。トゥルシーのマーラの中で、良質なものからは素敵な香りがしてきます。
手にとった時の木の感覚がとてもやわらかく、あたたかくて気持ち良いです。
それからというもの、大切な友人たちにトゥルシーのマーラをいつくか贈り物としてあげてきました。
そして、気づいたら手元に自分のトゥルシーのマーラがないという状態がよく続いていました。
*人差し指は使わずに、親指と中指でビーズを一つ一つ引き寄せながらマントラを唱えます。
*専用の袋に入れて唱える時は、人指を外に出して唱えます。
インドには、トゥルシーのお茶や石鹸、お線香も売っているので、よくトゥルシーのお茶を飲むようになりました。風味は独特のミントとシソを合わせたような不思議な香りがします。
何よりも、飲んだ時に本当に浄化され、ネガティブなエネルギーやスピリットから守ってくれるような、感覚を覚えるので、毎日2杯以上飲み続けています。
南インドに滞在した時に、生のトゥルシーのお茶を飲んだことがあるのですが、こちらのほうが味は数段美味しかったです。より香りがフレッシュで色も緑色がでていて、「生の植物の葉っぱからこんなに美味しいお茶ができるなんて」と感動したものです。
毎日ではありませんがトゥルシーのネックレスも身に着けます。
本当にトゥルシーの神様に守られていて、スピリチュアルな力が増すような安心感を感じることができます。
そして、大好きなのがトゥルシーの石鹸です。緑色の透明な石鹸でかぐわしい植物の独特の香りが気持ちよく、トゥルシーの石鹸で洗うと皮膚のトラブルや病気などがすべて浄化され、健康になる気がします。
不思議と他の石鹸を使った時に、体調を崩したことがあり、それからはインドに居る時はずっとトゥルシーの石鹸を使うようにしています。
先日、久しぶりにトゥルシーのネックレスをつけて、いつも行くお寺の夕方のお祈りのプージャ(儀式)に参加しました。大きなエネルギーを感じ、いつもよりも気持ちよく踊ることができ、あらためてトゥルシーの神秘的な力を感じることができました。
インドのクラシック音楽を学ぶことを目的に、ブリンダヴァンに滞在しているので、お寺やアシュラムに滞在している敬虔な信者の方とは少し異なる生活をしています。
トゥルシーの木や、聖典のこと、クリシュナの哲学など、まだまだよく理解していなく、学ぶべきことがたくさんあります。そんな中で、感覚的にトゥルシーの木からは不思議で大きな力を経験から感じることができました。
集団生活とは異なり、一人で一日3〜4時間は練習をしなくてはならないので、自分自身のスピリチュアルな信念と力が要になります。これまでにトゥルシーの木は幾度となく私を包み込み、護り、浄化し、強さを与えてくれたと実感します。
今回の巡礼をとおして、トゥルシーの木の女神様と思いがけず出会うことができ、これまでの感覚的な経験が、様々な知識として浸透し、魂の学びとして融合することができたような気がします。