「鎮守の杜(森)」を歩く
明治神宮前へ地下鉄を乗って到着。
まず出迎えてくれたのが大きな鳥居でした。
立派な鳥居を見上げてまず感動しました。
鳥居の深い木の色を見て、長い年月、日差しの光や雨と風に打たれながらもその美しさを増していった様子が感じられます。
鳥居は世俗的な世界と、神聖な世界の境界だとされています。
この鳥居をくぐることで、何か別の世界に入る気がします。
鳥居をくぐって中を歩いていくと、先が見えないほどまで続く一本道を囲むように大きな木々が生い茂っている林が両側に見えました。
「明治神宮ってこんなに広かったんだ!」とまずは感動。
自然が大好きな私にとって、このように身近な大きな森に接することができる場所にめぐりあえることは嬉しい発見です。
あたりの木に見とれながら前進します。
午後のあたたかい日差しが木々の間から明るく降り注ぐ中、真冬の午後だというのにも関わらず、たくさんの人々が歩いている様子に気づかされます。
外国人観光客も多いですし、地元日本人参拝客も多いようでした。
みなさんリラックスした明るい表情をされているのが印象的です。
代々木は、明治神宮が建てられる前は荒れ地だったそうです。
明治神宮を建設するために全国から12万本の樹木が集められ、その頃最高の林学を用いて人工的に作られたのが、明治神宮を囲む森です。
「鎮守の杜(森)」は本殿や神社を守るために人工的に作られた森なのです。
この頃、小さい時に好きだった映画である「風の谷のナウシカ」を想い出す機会がありました。
小さな頃は、ナウシカの映画が環境問題へのメッセージを伝える映画だとは想像もできませんでした。しかし、成長して大学生になってから再び観た時、この映画には地球の自然を守ることの大切さを伝えるメッセージが込められていることに気づき、また違うレベルで感動したことを覚えています。
私たちは自然に触れると誰もが癒やされ、人々や動物たちは植物からの様々な恩恵を受けます。
アニミズムの時代には、一つ一つの木に霊魂が宿っていて、私たち人間や他の生命体を守っていると信じられていました。
明治神宮の森は、人の手により植えられた木々からなる人工の森ですが、2020年には100周年を迎える森でもあります。100の年月を経た木々たちは植えられた地に根を下ろし、東京に新しい森のオアシスを形成することになりました。
この森を歩いていると、森の魂というか、それぞれの木たちがお互いにコミュニケーションをとっている何らかの気配を感じることができます。そして、これらの木々たちが私たちにも何か言葉にならないエネルギーやメッセージを送っているようにも感じられます。
大きな自然に触れる機会が少ない都会人にとって、身近に森に触れることができる、明治神宮というのはとても大切な存在だと思いました。